【対処法】先輩教員に部活動を押し付けられたのに「退勤扱い」されたあなたへ─
- Nakanishi Ryo
- 4月19日
- 読了時間: 3分
こんにちは。私立学校教員・現社会保険労務士です。
前回は、実際に働いているのに、形式上「退勤」させられている問題について書きました。今回は、当事者としてどのように対処すればよいかを具体的にまとめます。
実態と記録が食い違っている。しかも声を上げにくい──そんな現場にいる方に向けて、少しでも役立てばと思います。
前回記事はこちら↓
それでは対処法ですが、
まずは自分の中で優先順位を考えましょう!
顧問を辞めたい??
適正に割増賃金が出ればいい??
職場の労働環境を変えたい??
ただ、どれにしてもやることは同じです。
1. まず、自分の「記録」を残す
タイムカードがない環境では、自己防衛の第一歩は記録です。
✅ スマホのカレンダーやメモアプリに毎日記録(退勤前に職場の時計の写真を撮る)
✅ 部活動指導の指示(LINEやメール)があればスクショ保存
✅ 自分宛に「今日も部活指導終わりました」など、事実確認のためのメールを送信
これらは万一、労働基準監督署や弁護士に相談する際に、「働いていた証拠」になります。
▶ ポイント:・「いつ」「どこで」「誰に命じられて」「何をしたか」を記録
・なるべく感情ではなく、事実ベースで書く
2. 「相談できる場所」を持つ
学校内部だけで抱え込むのは危険です。
✅ 校内の労働組合があれば相談
✅ なければ、外部の労働組合(ユニオン)に問い合わせ
✅ 労働基準監督署に匿名相談も可能
✅ 労働問題に強い弁護士や社労士に相談(初回無料のところも)
▶ ポイント:・証拠を持っていくと話がスムーズ
・一人で動き出せないときは、誰かと一緒に相談するのもあり
3. 就業規則・労働契約書を確認する
「部活動指導は業務命令か?」「労働時間はどう定められているか?」まず、自分の立場を整理することが大事です。
✅ 就業規則(勤務校に必ずある)を見る
✅ 労働契約書や雇用条件通知書の内容を確認
▶ ポイント:・書面にない命令は無効になる場合もある
・「自主的活動」とされていても、指示・命令があれば労働時間です
※命令がなくても、活動を管理職が把握していれば「黙示の残業命令」になります。
4. 可能なら、記録を添えて上司に相談
現場で解決できる場合もあります。また、労働基準監督署にいきなり言っても、まずは上司に言ったかを聞かれます。
✅ まずは穏やかに、「この時間も労働時間にあたるのでは」と相談
✅ 相談内容は必ずメモを残す(できれば日時も記録)
▶ ポイント:・感情的にならず、労働法に基づいて冷静に伝える
・「改善されなかった場合のため」に記録をしっかり
5. 労働基準監督署に指導を依頼する
学校側が改善しない、または相談そのものが難しい場合、労働基準監督署に相談・申告することで指導を受けてもらうことが可能です。
✅ 匿名でも相談できます(住所・学校名は伝える必要あり)
✅ 「残業時間の未申告」「不適切な勤怠処理」などは指導対象
✅ あらかじめ自分で記録・証拠を用意しておくと、より効果的
▶ ポイント:・「自分の問題」であると同時に「組織全体の問題」と認識してもらう ・「学校が悪い」ではなく、「法律に基づいた改善が必要」と冷静に伝える
最後に──「現場を変える力」は必ずある
学校現場は、まだまだ労働法に無自覚なところが多いです。でも、少しずつ確実に変わってきています。
あなたが記録を取り、相談し、労基署の力を借りることは、未来の若手教員たちを守る大きな一歩になります。
焦らず、無理せず、できることから。
あなたの行動は、きっと誰かの希望につながります。